アメフトを知ろう!
アメリカンフットボール、略してアメフト。
このスポーツは名前の通りアメリカで生まれたスポーツです。
ラグビーを元としてその中に戦略性と戦術性を組み込んだもので、プレーヤーは高い運動能力のみならず高い知性をも必要とするということで、「究極のスポーツ(ULTIMATE SPORTS)」 とも呼ばれています。
ここではそのアメフトがどういったスポーツか、説明していこうと思います。(あくまでも初心者のためのものなので、簡単に書いたり省いたりしていますのでご了承ください。)
文字の説明が分かりにくいと感じた方は、【動画】6分でわかるアメフトのルールをご覧ください。


・アメフトってどんなスポーツ?
・アメフトのルールって?(入門編)
・アメフトのルールって?(応用編)
・【動画】6分でわかるアメフトのルール



アメフトってどんなスポーツ?

アメフトというスポーツの特徴は2つあります。
まず、「1プレーごと区切られる」こと。
サッカーやラグビーなどはプレーは連続して攻守切り替わります。しかし、アメフトは1プレーが終わるたびにストップしてスタートし直します。強いて言うなら野球のようなシステムでしょうか。
そして1プレー終わるたびに状況に応じた次のプレーの作戦を立てて行動するところが戦略・戦術性の強くなる理由でしょう。

また、「攻撃の選手と守備の選手がほぼ完全に別れている」こと。
これがもっとも大きな特徴でしょうか。
つまり、Aチームが攻撃をするときには攻撃の選手たちがフィールドに出ていますが、攻守が切り替わりAチームの守備になるとAチームは攻撃の選手が引っ込んでAチームの守備の選手たちがフィールドに出てくるのです。
つまり攻撃と守備の分業性がこのスポーツの特徴なのです。当然選手たちはそれぞれの役割にあった能力の持ち主「スペシャリスト」となっていきます。

この2つの特徴が、「戦略的なスポーツ」「スペシャリスト達によるプレーの攻防」となり、それが知的かつ高い運動能力の2つが混ざり合った大変興味深いスポーツへと進化してきたのです。

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アメフトのルールって?(入門編)

アメフトをあまり見ない人の中には「なんだかルールが複雑そうで・・・」と理由を言うことが多いようです。
細かいルールは確かに細部にわたっていますし複雑でしょう。
ですが、単に観戦するのに必要なルールは少ないものなのです。
とりあえず以下の4つの事柄だけ知っていればゲームを楽しむことができます。


アメフトは「陣取りゲーム」である

攻撃チームはボールを前へ押し進め、守備チームはそれを防ぐ。これが基本です。

攻撃の種類は「ラン」「パス」の2種類

ランは攻撃チームの一人がボールをもって走って陣地を前に押し込んでいきます。
パスは前方に走り込んだ攻撃チームの選手にボールを投げて大きく陣地を取る「飛び道具」の役割です。
攻撃はランかパスのどちらかを選択します。ランは地味だが確実。パスは派手で獲得距離も大きいが相手にボールを取られる危険性が高いので、状況に合ったプレーを選択します。

攻撃側は4回の攻撃プレーが出来る

攻撃チームはその4回の攻撃の間に10ヤード以上進む事が出来ればまた新たに4回の攻撃権を得る事が出来ます。
この攻撃を続ける事が出来ればどんどん陣地を前に押し進め、相手ゴールに迫っていけます。
逆に4回の攻撃のうちに10ヤード以上進まなかった場合は、相手側に攻撃権が移ってしまいます。

得点方法はラグビーに似ている

ボールを持った選手のボールの先が少しでもゴールラインを越えたら、「タッチダウン」6点が入ります。
タッチダウンのあとにボーナスとしてキック(Point After Touchdown = 「PAT」)をして追加点をいれる事ができます。その追加点は1点(つまり、キックが成功したらタッチダウン+キックで7点となる)です。
また、キックを選択せずにもう1回プレーしてゴールラインを越えることができたら、追加点は2点(つまり、プレーが成功したらタッチダウン+プレーで8点となる)になります。
途中からキックする「フィールドゴール」3点です。
タッチダウンはラグビーのトライと似ていてますし、追加のキックもラグビーにもあるものです。もちろん、フィールドゴールもありますね。
厳密に考えると違う部分もありますが、得点はラグビーに似ていると思って観戦すれば問題ありません。

この4つの事柄を知っておけばOKです。どうです、さほどむづかしくないとは思いませんか?

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アメフトのルールって?(応用編)

もう少し詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。

①プレーヤーのポジション
攻撃チームは11人、ポジションによって、
 オフェンスライン(OL)
 クォーターバック(QB)
 ランニングバック(RB)
 ワイドレシーバー(WR)
 タイトエンド(TE)
などの名称で呼ばれます。

守備チームも11人、ポジションは、
 ディフェンスライン(DL)
 ラインバッカー(LB)
 セーフティー(S)
 コーナーバック(CB)
などがあります。
皆の注目を集めるのはQB、RB、WRといった花形のオフェンスポジションです。
QBは攻撃の基点となるポジションで、すべてのプレーはここから始まります。
RBは主にランプレーでボールを持って走り、陣地を前に進めます。
WRはパスプレーでQBの投げたボールをキャッチし、ビッグプレーを生み出します。
最初はこの3つのボジションを見て楽しんでみてください。

もちろん、守備チームの活躍なしには勝利はありません。
守備チームの激しいタックルにも注目してみてください。
そして、SやCBやLBによる攻撃チームのパスの奪取、「インターセプト」もゲームの流れを変えるビッグプレーです。

②プレーの区切り
アメフトのプレーの最初は、オフェンスライン(OL)の真ん中に位置する、センター(C)の選手がボールをQBに渡す(スナップする)事により始まります。
野球で言うと「ピッチャーが球を投げるところから始まる」といった感じです。

プレーの終了は、ボールを持っている選手が地面に倒れる、もしくはボールを持った選手がサイドのラインを越えフィールドの外に出ると1つのプレーが終了した事になります。
これはパスでもランでも同じです。そしてこの場合はボールが進んだ地点から次の攻撃が始まるります。
攻撃チームはとにかく倒れたり外に出たりしないようにしてボールを前に進め、逆に守備チームは何とかしてボールを持った攻撃選手をタックルで倒す、もしくはフィールドの外に押し出そうとします。
パスプレーの場合、投げられたボールを選手がキャッチできずに地面に落ちるとそこでプレーが終了します。パスプレーが失敗した場合は、前回のプレーが始まった地点から再びプレーを開始します。もちろん、攻撃権(ダウン)は1つ消費されてしまいます。

③時間の消費
アメフトは1クォーター15分×4つのクォーター=60分でゲームが行われるのが普通です。(1クォーター12分のルールもあり)
この時間の消費ですが、アメフトではこれが意外に重要となります。
フィールド内で地面に倒れても時間は止まりませんが、フィールド外に出たり、パスプレーが失敗した時には時間はいったん止まります。
このルールは試合の終盤で重要度をまします。勝っているチームは時間を消費しようとしますし、負けているチームは時間を取られないようにします。この結果、終盤の負けてるチームの攻撃は自然とパスプレーが多くなります。パスの方が長い距離を稼げるため、時間を浪費することなく得点できる可能性が高いからです。もちろん、インターセプトされるというリスクは負うことになりますが。
ですので、接戦のゲームでは最後まで目が離せなくなる状況が多くなります。

④パント
試合を見物していると、攻撃チームがボールを蹴り上げて相手に攻撃権を渡すシーンがよくみられます。このプレーは「パント」と呼ばれます。(ラグビーの「ハイパント」をイメージしてください。)
前述で、「攻撃チームは4回の攻撃権を有する」と書きましたが、通常は4回目の攻撃はあまり行われません。その4回目の攻撃を「パント」にする事が多いからです。
なぜならば、例えば3回の攻撃で10ヤードにあと2ヤード足らないとします。4回目の攻撃で2ヤード以上進めれば問題無いのですが、取れるかどうか保証はありません。失敗する可能性があり、その場合はその地点から相手側の攻撃となってしまい、ボールの位置によってはいきなり得点されるピンチになってしまう事もありえるわけです。
そこで、その時に出てくるのがこの「パント」です。
「パント」とは、攻撃チームがボールを前方に向かって蹴りだします。これによって攻撃チームは4回目の攻撃権を放棄し相手に攻撃権を渡すことになります。
しかし、攻撃件と引き換えに良いフィールドポジションを得ます。つまり相手攻撃陣を自分達のゴール(エンドゾーン)からより遠いところからプレーをさせて得点しにくくするのです。フットボールにおいてはフィールドポジションが大変重要だということがお分かりいけるかと思います。

ただし、まれにパントをせず4回目の攻撃が行われる事があります。
この4回目の攻撃は「ギャンブル」と呼ばれ、 「あとほんの少しで10ヤード獲得できる」時とか、「負けているが、時間がないため進むしかない」という時に行われます。
むろん、成功すればそのまま攻撃できますが失敗すればそこで相手に攻撃権を渡してしまう事になる、文字通りギャンブルとなります。

取り合えずこのくらいでやめましょう。
ルールはもっとあるのですが、あとは枝葉末節なのでこれだけ知ってれば支障なく試合が楽しめるはずです。

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【動画】6分でわかるアメフトのルール

ここまでの説明では分かりにくかった方は、日本社会人アメリカンフットボール協会制作のルール動画をご覧ください。



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